いぼ痔

肛門周辺にある静脈叢は、毛細血管が集まってできているクッションのようなものです。冷えや便秘、排便時の強いいきみなどで肛門に負担がかかると、静脈叢に血が溜まって腫れてしまいます。この腫れがいぼ痔です。肛門の皮膚と直腸粘膜は歯状線によって分けられており、外側の肛門部分にできたいぼ痔は外痔核、内側の直腸近傍にできたいぼ痔は内痔核と呼ばれます。症状や治療方法が違うので注意が必要です。

血栓性外痔核は、肛門周辺の血流が悪化することで血栓が生じ、腫れてイボ状になったものです。最初は小さいですが、急激に肥大化することもあります。長時間のデスクワークや長距離運転、立ち仕事、飲み過ぎ、排便時のいきみなどで、肛門に負担がかかることで生じます。

いぼ痔と言っても、内痔核・外痔核・血栓性外痔核の3種類があり、種類や進行度次第で治療方法が異なります。また、複数の治療方法を組み合わせることもあり、排便機能などの肛門機能に支障をきたさないよう治療を行います。根治するには手術治療が必要になることもあります。当院では基本的に日帰り手術で対応させていただきます。ただし、痔核のサイズが大き過ぎる、再発している、薬剤（抗凝固・抗血小板剤など）を服用しているなどの場合は、入院が必要となるケースもあるため、入院設備が整った提携先の医療機関へご紹介いたします。肛門は非常に重要な役割を果たしているため、治療方針は患者様と相談してご納得頂いたものを選択し、適切な治療を行っています。