肛門周囲膿瘍

肛門周囲膿瘍とは

肛門の皮膚と直腸粘膜の境目に小さなくぼみ(肛門陰窩)があります。便が肛門陰窩に入り込むことで、感染症を発症し、化膿してしまったものが肛門周囲膿瘍です。
肛門周囲膿瘍の主な原因には免疫力の低下や食物繊維の不足、腸内環境の悪化、運動不足、過度なダイエットなどの生活習慣の乱れが挙げられます。また、下痢や便秘も関係しており、肛門周囲に炎症や傷が起こることで、そこから細菌が侵入することで膿瘍が形成されることがあります。その他、血流の悪化や加齢による腸の蠕動運動機能の低下、大腸がんなどの大腸疾患によっても現れます。
便秘が長引くと様々な異常が現れるため、原因を特定して適切な治療を受けることが重要です。重篤な疾患が疑われる場合には、大腸カメラ検査で直接粘膜の状態を確認する必要があります。当院では、患者様になるべく負担がかからない大腸カメラ検査を実施しているため、お気軽にご相談ください。

原因

下痢になりやすい方、切れ痔のある方、排便時にいきんでしまう癖がある方、過剰なアルコール摂取で下痢が多いといった方などによく見られます。また、乳児期に患った痔ろうが原因で起こることもあります。

症状

肛門周囲に腫れや熱感、座ることもままならない程の痛み、発熱といった症状が現れます。

検査方法

肛門周辺の状態は視診や触診でおおよその判断はできますが、当院ではより正確に膿の溜まり具合や痔ろうの状態を検査できるように、肛門エコー検査を行います。正確な診断ができるので、より精度の高い治療を行えます。

治療法

保存的治療

膿瘍の縮小は、抗生剤を投与することで、膿溜まりを縮小させることができる治療法です。

手術治療

膿が溜まっている部分の皮膚を切開して、膿を摘出する治療法です。
患者様の症状や状態に応じて、適切な方法を選択します。

切開排膿術

痛みの程度や膿瘍の状態、患者様のお仕事内容、緊急性などを判断材料とし、麻酔方法の検討をします。痔ろう根治の可能性まで視野に入れることで、切開の方向や切開部位を決めていきます。「とにかく切って膿を出せばいい」というものではなく、痔ろう根治術に対する正確な知識をもとに行わなくては、痔ろうがより複雑化してしまうリスクがあります。
当院では、痔ろう手術に関する豊富な経験と知識をもとに、患者様の状態にあった切開排膿術をご提案させて頂きます。将来を視野に入れた治療を行っていますので、お困りの方はお気軽にご相談ください。

膿瘍が治った後には、痔ろうの根治術が必要になるケースがほとんどであるため、保存的治療や手術治療のどちらも視野に入れて、フォローアップを継続しつつ、最適な時期が来たら治療をご提案させて頂きます。
日帰り手術だけでなく、状態によっては入院手術が必要な場合もあるため、そういった時には提携先の医療機関をご紹介します。患者様が治療に関してより良い選択ができるようにサポートしております。

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